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更新日:2007年6月27日 JAGA事務局まとめ

危機遺産リスト入り、その背景と今後

2007年6月26日、ニュージーランド・クライストチャーチで行われていた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第31回世界遺産委員会(World Heritage Committee)は、ガラパゴスを「その普遍的価値を損なうような重大な危機にさらされている遺産」である「危機遺産リスト(World Heritage in Danger)」に登録した、と発表しました。

【背景】


ガラパゴス諸島は、1978年、ユネスコ第2回世界遺産委員会で他の11地域と共に最初の世界自然遺産として登録されました。これより前の1959年には、ユネスコとIUCN(国際自然保護連盟)の強い働きかけにより、ガラパゴスの保全を目的としたNGOチャールズ・ダーウィン財団が設立され、ユネスコも設立に資金援助をしています。

2001年には、ガラパゴス周辺海域の海洋保護区138,000km2も世界遺産に追加登録されました。実はこの登録は1994年から検討されましたが、外来種の侵入・帰化、過剰漁業・不法漁業の横行などを理由に保留され、逆に95年、96年には、同じ理由で「危機遺産リスト」への登録が検討されました。

97年の委員会では、移民の制限や観光管理の強化などを定めた法律の制定を条件に、リストへの記載を行わないことが決定され、98年3月にエクアドル政府により、「ガラパゴス特別法(The Special Law for Galapagos)」が制定されました。2001年の海洋保護区の追加登録は、この処置をふまえたものでした。

ガラパゴスにおける人口と観光客数の推移
ガラパゴスにおける人口と観光客数の推移
(注)2006年観光客数データはグラフには反映されていません。
【ダーウィン財団からの資料に基づき作成】

しかし、ガラパゴス特別法で規制された内容の具体化が進まず、上のグラフからも分かるように、観光客と島民の数は増加の一途を辿り、これに伴い、外来種の侵入・帰化はますます進み、増える漁民らによる周辺海域での不法漁業は留まることをしらず、諸島の希有な自然は徐々に失われています。

【保全の困難】


現地では、ダーウィン財団が運営するチャールズ・ダーウィン研究所や、エクアドル政府管轄の国立公園管理局が中心となって、外来種の駆除や侵入防止、絶滅の危惧される生物の保護、漁業の管理や取り締まりなどを行っていますが、増え続ける脅威に保全が追いつかず、また広大な自然(陸地だけでも沖縄県の3.5倍)を相手にした地道な活動のため、なかなか成果をあげられない困難に陥っています。最近は、資金難のため、研究所も国立公園も職員が削減され、状況は悪化しています。

【望み】


ガラパゴス特別法では、制定以後のエクアドル本土からの移民を規制したため、98年以降の島民の増加は、自然増、つまり子供たちが増えていることになります。ダーウィン研究所では、諸機関と協力して、諸島全体で7,000人余りいるとされる子供たちへの環境教育を進めています。

例えば、イサベラ島のダーウィン研究所環境教育センターでは、「ゾウガメ友の会」という子供たちのグループを作り、一人一匹ずつ、ゾウガメの飼育を行っています。島で生まれた子供たちが、島を愛し、島を守るよう、将来に望みを繋げています。

しかしながら、人類共通の財産とされる「世界遺産」を守るためには、それを領有する国家や国民だけではなく、世界中からの支援が不可欠です。特に発展途上国で、政治的に安定しないエクアドルのような国にある自然遺産は、国際協力なくしては、その保全は不可能です。

日本の多くの皆さんが、ガラパゴスの普遍的価値に共感し、支援の手を差し伸べて頂けるよう、心から願います。私たちJAGAは、皆さんからの信頼に足るような活動をするべく、最大限の努力をして参ります。

(6/27 JAGA事務局まとめ)

    ━参考文献━
  • 「遺産としてのガラパゴス諸島の生態系管理の現状と課題」(西原・海津 2004)

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