日本ガラパゴスの会は、ガラパゴス諸島本来の自然環境を 回復・維持するための活動を支援する団体です。
チャールズ・ダーウィン財団(CDF)は、本日(26日)、ガラパゴスを危機遺産に登録するとした、ユネスコの決定を支持することを表明します。この登録により、4月にエクアドル政府が行った「ガラパゴスが危機にあり、保全が国家の優先事項である」とする宣言を補強することとなりました。 これら二つの宣言は、島民、国民、世界中の人々の共通の課題である諸島の長期的な保全と持続可能な発展を確かなものとする、重要な一歩です。 ガラパゴスの経済発展は、それを支える観光の増大と共に、かつてない速さで進みました。増える移民と、そのための燃料、生活用品、水、公共サービスへの需要によって、この5年で、諸島への航空便の数は倍以上に増えました。大陸から隔離されていたはずのガラパゴスは、今や外来種の侵入と帰化の危険に常にさらされています。これはガラパゴスの生物多様性にとって、最大の凶器です。 「ガラパゴスで起きている問題は、サメのヒレの乱獲やナマコの不法・過剰漁業といった、一つの問題に集約できるものではありません。根底にある問題は、持続不可能な社会経済モデルを導入して、より多くの投資、移民、物品、そして外来種を持ち込み、島民と保全を十分に結びつけなかった構造そのものです。」とCDF理事長でダーウィン研究所所長グラハム・ワトキンスは語っています。 現在ガラパゴスには、記載されただけでも1,321種の外来種が存在しています。これらは1990年には112種でした。中でも植物は、500の自生種(固有種+野生種)に対して、748種の外来種がいます。外来昆虫は490種にのぼります。西ナイル熱などの病原菌や害虫、新たな捕食者の到来の危険性は高まっています。 これに加えて、観光や島民に対する膨大なエネルギー供給は、2001年に起きたタンカー座礁による原油流出のようなリスクを増やしています。過去5年で、島でのディーゼルの消費は20%、ガソリンのそれは45%も増え、サンタクルス島での電気の供給先は、2001年から35%増加しました。 ガラパゴスの脆弱性や外部からの侵入増加の一方で、良いニュースも届いています。ガラパゴス国立公園局は、CDFの援助を受け、今や外来種のコントロール及び絶滅危惧種とその生息域の復元における、世界の先導組織となりました。 ガラパゴスの地域社会の中にもまた、活動の成果が表れ始めています。「ペスカド・アスル」というイサベラ島の女性協同組合が作る小さな組織では、付加価値を付けたツナ製品を作ったことが、成功例として、今年の「赤道イニシアティブ(*)」の一つに挙げられました。またガラパゴス国立専門学校では、料理講座を開設し、地元の観光業界で就職できる料理のプロを育成しています。諸島の主要な町では、自治体が、観光の私的機関と共同で効率的なゴミのリサイクルに力を入れています。 「このような成功例や事例は、諸島の持続可能性や地元の利益、そして保全を確かなものとするために、どんどん増やしていく必要があります」とグラハム氏はコメントしています。 自然と調和して生きていく、持続可能で公平な社会の実現に向け、ガラパゴスが今日ほど、力のあるリーダーシップと強力な支援を必要としたことはありません。諸島の発展が目指す方向を変えなければならないことは明白です。エクアドル大統領とユネスコの宣言は、この方向転換には、なくてはならない最初のステップとなりました。 CDFは、島内・国内・国外のパートナーと協力し、ガラパゴスを守るために、科学的な調査研究と活動の補助を行っていきます。1959年、ユネスコの援助により設立したCDFは、エクアドル政府との協定に基づいた活動を通じて、今後も、ガラパゴスのための第一の保全団体であり続けます。 (*)赤道イニシアティブ:国連開発計画(UNDP)が行う「赤道南北23.5度の範囲に位置する地域を対象に、貧困削減と生物多様性の保全を目指すグローバルな取り組み」 訳:奥野玉紀(JAGA)