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更新日:2008年6月11日 2008年4月30日:チャールズ・ダーウィン財団プレスリリース
ガラパゴス諸島プエルトアヨラ
原文記事(英語)
国立公園局のニュース(西語)

バルトラ島のリクイグアナ繁殖プログラム

成功裏に完了

マルセラ・アギニャダ環境大臣と地元自治体幹部が見守る中、チャールズ・ダーウィン財団(CDF)とガラパゴス国立公園局(PNG) は、ガラパゴスの固有種、リクイグアナ(conolophus subcristatus)74匹を自然に放ちました。

このリクイグアナの故郷バルトラ島への帰還は、1980年から行われてきたCDFとPNGの「バルトラ島リクイグアナの飼育・繁殖プログラム」の完了を意味します。

このプログラムの目的は、バルトラ島が第2次世界大戦中アメリカ軍の基地として使われていたとき、様々な要因が重なりこの島から姿を消したリクイグアナの個体群を、復活させることでした。

CDFとPNG、それにエクアドル空軍は、このリクイグアナの絶滅を回避するため、協力協定を締結していました。プログラムの中には、特に移送車や軍の運転手など島で働く住民や軍関係者の意識の向上を目的とした、「教育キャンペーン」も含まれていました。

今日までに、420匹のリクイグアナが自然に戻され、バルトラ島の生態系の中で棲息、繁殖しています。

この日のイベントでは、本プログラムを支え、熱心に推し進めたCDF脊椎動物部門のハ虫類学者、クルス・マルケス氏の業績を称えた記念額が披露されました。

バルトラ島のリクイグアナについて(JAGAまとめ)

空港のある島として知られるバルトラ島は、別名South Seymour(サウス・セイモア)島とも呼ばれ、北にあるNorth Seymour (ノース・セイモア)島と対をなしています。※面積はバルトラ島の方がはるかに大きい。

1930年代の科学者らの調査で、バルトラ島には多数のリクイグアナが棲息している一方で、同じような自然環境をもつノースセイモア島には一匹もリクイグアナがいないことから、これを不思議に思ったある科学者が、 数十匹(文献により30?70匹)の個体を、バルトラ島からノースセイモア島へ移し、何が起きるかを実験しました。

その後、第二次世界大戦が始まり、バルトラ島にアメリカ軍が基地を建設し、使い始めました。(一説によると、日本軍のパナマ運河侵攻に備えるための基地設置であったということです。)おそらく、基地建設による生息地の減少と、人が住んだことでネコやイヌ、ブタなどの外来種が侵入し、イグアナの卵や幼体を食べたことにより、1953年までには、このバルトラ島からリクイグアナがいなくなってしまいました。

その後CDFの研究者らにより、ノースセイモア島に移された個体のうち、20匹ほどが生き残っているのが確認されました。しかし若い個体が育っていない状況だったため、このままでは絶滅すると判断し、1981年、数匹をダーウィン研究所に持ち帰り、人工飼育・繁殖を始めました。

そして1991年、初めて人工繁殖により生まれた35匹のリクイグアナを、バルトラ島に帰すことに成功しました。

今でこそ諸島には多少安定した電力が供給されていますが、以前は人工飼育・孵化用の恒温器の温度を一定に保つのに、大変な苦労と工夫がありました。(これはゾウガメの人工繁殖も同様です)

また、バルトラ島は既に観光用の飛行機の離発着に頻繁に使われており、現在はエクアドル軍の関係者が滞在する施設等もあるため、リクイグアナのための生息環境を整えることも重要な課題でした(これは現在も)。

これらを乗り越えて、先日420匹目のリクイグアナをバルトラ島に放ち、プログラムを終えたのです。

ところで、諸島のリクイグアナの生息地にあるウチワサボテンは、樹のように育ち、幹(葉)が下の方にはついてない、という話をご存知の方も多いと思います。

サウスプラサ島の写真はこちらをどうぞ

リクイグアナに食べられないように、背が高くなり、下の方の葉を落とすように進化したと言われていますが、ノースセイモア島に行かれた方は、背の低いウチワサボテンと、そこに棲息するリクイグアナ、という諸島内での唯一の「例外」をご覧になったかもしれません。これは上記のような人工的に作られた環境であるためです。

参考:ダーウィン財団HP
http://www.darwinfoundation.org/en/library/pubs/gal-research/n4900069010
http://www.darwinfoundation.org/en/library/pubs/journals/br15049809

〔訳:奥野玉紀(JAGA)〕

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